ごあいさつ

ごあいさつ

教育部長 鹿嶋 洋社会文化科学教育部
教育部長 鹿嶋 洋

 熊本大学大学院社会文化科学教育部は、人文社会科学系の諸学を中心に一部理系にまで広がる多様な学問分野から構成される、総合的な大学院です。こうした多様性と総合性を持つ本教育部には、自分の専門分野だけではなく、隣接分野の教員や院生と気軽に議論できる雰囲気があります。このことは、旧帝大などの規模の大きな文系大学院にはあまりみられない強みであり魅力だと言えます。様々な学問に触れ、視野を広げて新たな知を切り開いていくことができる環境がここにはあります。
 さて、現代の社会経済活動は機能的価値から意味的価値を重視する時代へと移行しつつあるとされています(中央教育審議会大学分科会大学院部会「人文科学・社会科学系における大学院教育改革の方向性(中間取りまとめ)」2022年8月3日)。意味的価値とは、特定の顧客が商品の特徴に関して主観的な解釈や意味づけすることによって創りだされる価値を指します。意味的価値の重要性が社会に認識されてきたなかで、価値発見・価値創造的な視座を提供する人文社会科学分野に一層高い期待が寄せられています。こうした期待を受け、人文社会科学の高度な専門性を有する人材を社会に供給していくことは、本教育部の社会的使命です。

このような社会的要請のもと、本教育部は以下の改革を持続的に実施しています。


・2019年度、教育組織を大学院社会文化科学教育部に改組
・2019年度、博士前期課程法政・紛争解決学専攻の開設
・2020年度、卓越大学院プログラム「アジアユーラシア・グローバルリーダー養成のための臨床人文学教育プログラム」の開始
・2021年度、熊本大学・マサチューセッツ州立大学ボストン校紛争解決学国際連携専攻
 (ジョイント・ディグリー・プログラム)開設
・2023年度、博士前期課程文化学専攻への現代文化資源学研究コースの設置
・2024年度、博士前期課程現代社会人間学専攻への公認心理師専門職コース設置を予定


 本教育部は、研究者養成を目指す「研究コース」と高度専門職業人養成のための「実践コース・専門職コース」を兼ね備え、社会人や各国からの留学生も含め多様な学生が学んでいます。特に社会人学生への配慮として夜間・土曜開講、eラーニング・遠隔授業の活用、長期履修制度などを実施しており、リカレント教育を受講しやすくするために工夫しています。
 皆さんが本大学院の強みを享受し学問研究に精進することを通じて、自己実現のみならず人類の進歩に貢献していくことを強く期待します。